おさんぽサークル みつばのクローバー

広島県安芸郡府中町・未就園児親子対象。森のようちえんスタイルの子育てサークル「おさんぽサークル みつばのクローバー」の活動記録です。

子どものケンカを見守ってみた!みつくろ母さんの体験談

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おさんぽサークルみつばのクローバーは、広島県安芸郡府中町で活動する、未就園児親子の森のようちえん。14組程度の親子で、毎週の森のおさんぽを楽しんでいます。

サークルの主旨のひとつに、ケガのない範囲で”子どもたちのやり取りを見守る”という、大切にしている想いがあります。
まだ幼い子どもたち、お友だちとのやり取りの中で「相手の気持ちを知る」ということを身をもって体験していく時期だから。自我の芽生えとともに、たくさんの「やりたい!」と「できない!」、そして周りの人との関わり方を学んでいく時期だからです。

そんなみつばのクローバーの会員さんの中に、「子どものやり取りを見守ってみたら、素敵なことがおこった」経験をしたお母さんたちがいます。お母さんの語ってくれたほっこりエピソードを元に、綴ってみます。

はじまりは子ども同士の場所の取り合い

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2学期から通っている新しいフィールドに、おいてある脚立。それは、登ればいつもよりも高いところから周りを見渡せる、子どもにとっては恰好のアスレチックのような存在です。

子どもたちは目をキラキラと輝かせて、その脚立を登ります。それを見守る大人たちは、子どもたちのやりたい気持ちを大切に、子どもが落ちそうになったときに助けられる距離感でいつも見守っていました。

そんなある日、みんなが大好きな脚立をめぐって、YくんとAくんの小さなケンカが勃発したんです。

脚立の立ち位置をめぐってのケンカ

Yくんは、脚立をAくんよりも一段高い位置に登っていました。Aくんは、Yくんの立ち位置に行きたくて、あれ手この手を尽くします。

Aくんにやんや言われたYくんは、ついAくんをペチンと叩いてしまいました。

すると、Aくんはそれまでに溜まっていた気持ちを吐き出すかのように「わーーーっ!」と泣いてしまったのです。

母さんたちもスタッフも、子どもたちの心模様に寄り添いながら、「ダメよ」とも「ごめんなさい言わないと」といった、大人の思う解決方法を提示せず、子どもの気持ちに寄り添いながら見守りました。

その日の帰り際、Yくんのお母さんはAくんにこう言ったそうです。「Aくん、いつもYと仲良くしてくれてありがとう」

あえて、「今日はYがペチンしてごめんね」とは言わなかったそう。

Yくんが家でポツリと言ったこと

それから、Yくんは夜寝る前にあのときのことを思い出したように話すようになったそうです。「あのとき、Aくん泣いていたねぇ」と。

それを聞いたお母さんは、「Yくんがあのときどんな気持ちだったんかねぇ」と、小さな心のざわざわに寄り添いました。

まだ3歳までの小さな子どもは、自分と他者の感情を分けて考えるのが難しいそうです。自分と違う他者の気持ちに触れたことで、Yくんの心の中は大きく揺れ動いていたのかもしれません。

それからも、好きなことが似ているAくんとYくんは、たびたび衝突することがあり、その都度Yくんのお母さんは「いつもYと仲良くしてくれてありがとう」と、Aくんに伝えていたそうです。

Aくんの口から出た「ごめんね」の一言

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それからしばらくして、室内でのサークルの集まりで顔を合わせたときに、なんの前振りもなく、AくんがYくんにこう言ったそうです。

Aくん「あのときはごめんね」

Aくんは、Yくんに自分の謝りたい気持ちを伝えたそうです。そして、Yくんにこうも言いました。

Aくん「おれたち、仲良しだもんな!!」

 

それを聞いたYくんのお母さんは、とっても嬉しい気持ちになったそうです。

これまで、二人のやり取りをどう声がけしたらよいかわからなくて、葛藤しながらも見守り、二人の想いを尊重してきました。そのことが、子どもたちの心の成長を先回りせずに待つことに繋がっていたのです。

人生経験の豊富な大人は、つい「ごめんね」という言葉での解決を求めがち。でも、大人に誘導されて言う「ごめんね」には、子どもの本心は込められているのでしょうか。

大人に言われることなく、自分で考えて伝えた「ごめんね」には、子どもの本当の気持ちが込められていたのではないかと思います。

きっと、AくんとYくんはこれからもケンカをするでしょう。仲良しだから、好きなことが似ているから。

ケンカしたときのなんだかすっきりとしない気持ちを経験しながら、想いやりの気持ちを少しずつ育てていくのだと思います。

ケンカを見守るお母さんの気持ち

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Aくんのお母さんは、Aくんが初めてお友達に手が出たときに、ショックで落ち込んだそうです。我が子がお友達に手を出したことはもちろんだけど、自分が周りのお母さんにどう思われるか、という大人の都合が先にたったことに落ち込んだと、話してくれました。

子ども同士のトラブルがおこったときに、周りの大人の目を気にしてしまう。和を大切にしたい大人としては、自然に沸き起こる感情だと思います。

でも、Aくんのお母さんはそんな気持ちを相手のお母さんに素直に話して、お母さん同士の信頼関係を作って、子ども同士のケンカを和やかに見守るようになりました。

その切り替えようは本当に見事で、同じ母として尊敬せずにはいられません。

子どもの育ちはその子のもの

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「人の気持ちを分かる人間に育ってもらいたい」

親なら誰しも、我が子に優しい子に育ってもらいたいと思うもの。

その想いが故に、我が子の行動のひとつひとつに悩んでしまうのも親心。親として当たり前の姿なのではないでしょうか。

 

でも、ちょっと待ってみて。大人に言われなくても、子どもは自ら正しく育つ力を持っているから。

自分で考えて、気づいて、行動にうつす力を持っているから。

 

まだまだ小さな子どもたち、その心は人との関わりの中でぐんぐんと育っていきます。

私たち親は、その小さな心の育ちに寄り添いながら、ゆっくりと育つ子どもに伴走していけたらいいのかもしれません。

 

みつくろが毎週同じメンバーで活動していることの理由。それは、お母さん同士の信頼関係が、子どもの見守りにとても大切だからです。

子どもの心と体の育ちを、ゆっくりと見守れるあたたかな仲間の輪。今年度も、お母さんたちのおかげで育ってきています。

 

(文:かよ、写真:みつくろアルバム)